マジックザギャザリングの紙のカードとアリーナ、両方で「基本セット2021(M21)」が発売されましたね。
ところで、あなたはこのセットのドラフトで勝てていますか?
もし勝てなくて悔しい思いをしていたり、そこそこ勝てているけど新たな勝ち筋を模索しているのであれば、これから紹介するアーキタイプ「赤緑パワー4」を使ってみませんか?
筆者はクイックドラフトにて「赤緑パワー4」のアーキタイプでデッキを組み、見事完走できました。
ドラフトにおいて全く同じデッキを組むのは難しいです。なのでアーキタイプを決定づけるキーカードの紹介を中心として、組み方の骨子を紹介する記事としています。
この記事を読んだ後、2,3度ドラフトを練習すればアーキタイプの組み方を覚えられます。このアーキタイプを使えばクイックドラフトで勝ち続け、カード資産とジェムを増やし続けることが可能です。
良かったら一読してくれれば幸いです。
ドラフトにおける基本戦術
「赤緑パワー4」の紹介に入る前に、筆者のクイックドラフトの基本戦術を紹介します。
まずドラフトをプレイする前にいくつかアーキタイプを決めておきます。基本セット2021では以下のアーキタイプを想定してます。
- 赤緑パワー4
- 赤青果敢
- 白赤犬
なお今回紹介する「赤緑パワー4」以外のアーキタイプは、いつか機会を設けて紹介していく予定です。
ドラフトの戦術の話に戻ります。頭のなかでアーキタイプを想定しながら、1パック1順目で各アーキタイプのキーになっているカードをピック。
各アーキタイプとキーカードは以下です。
アーキタイプ | キーカード |
---|---|
赤緑パワー4 | ガラクの蜂起 うたた寝するティラノドン |
赤青果敢 | 嵐翼の精体 「果敢」持ちのアンコモン |
白赤犬 | 群れを導くもの 高山の犬師 |
例えば、初手で「ガラクの蜂起」が流れてきたら「赤緑パワー4」のアーキタイプを目指す、「果敢」持ちのアンコモン「心火の供犠者」が流れてきたら「赤青果敢」のアーキタイプを目指す、といった感じ。
この戦略のメリットは、初手から決め打ちすることで迷いを無くし、中途半端なデッキになってしまうを防止できるところです。
基本セット2021のアーキタイプ『赤緑パワー4』
ではいよいよアーキタイプの紹介です。
繰り返しになりますが、今回紹介するのは各種アーキタイプの中でも赤緑のカードを使ったアーキタイプ「パワー4」。
なぜパワー4という名前なのか?
それは「基本セット2021」の赤と緑のカードには、クリーチャーのパワーが4以上であることを参照するカードが多数入っているから。
パワー4以上によって発生するシナジーを生かした、打撃力の高いクリーチャーを大量投入したデッキです。
このデッキはクリーチャー戦が得意なため初心者にも使いやすく、そして強いです。
実際に筆者はこの赤緑パワー4を使用してクイックドラフトを完走できました。
デッキリスト
完走時ピックできたデッキは以下になります。
デッキ
1 魂焦がし (M21) 160
1 ガラクの蜂起 (M21) 186
2 炎血の野犬 (M21) 153
2 憤激解放 (M21) 170
2 誇り猫 (M21) 196
2 胸躍る可能性 (M21) 165
1 突き止め (M21) 211
1 野生林の災い魔 (M21) 214
1 噛み傷への興奮 (M21) 145
1 ガラクの血まみれ角 (M21) 184
1 ゴブリンの魔術 (M21) 148
1 砲塔のオーガ (M21) 169
2 岩だらけの高地 (M21) 249
1 うたた寝するティラノドン (M21) 178
1 レインジャーの悪知恵 (M21) 199
1 オナッケのオーガ (M21) 155
2 トリュフ嗅ぎ (M21) 212
1 猛然たる顕現 (M21) 144
1 活性化のうねり (M21) 190
1 節くれの賢者 (M21) 187
1 自然への回帰 (M21) 200
6 山 (IKO) 271
7 森 (IKO) 274
キーカード「ガラクの蜂起」
完走した時のドラフトの流れを説明します。
この時に赤緑パワー4をアーキタイプとして想定した理由は、キーカードである「ガラクの蜂起」が1パック1順目に流れてきたからでした。
パワー4が以上のクリーチャーと相性が良いカードです。ドラフト時は意識してパワー4以上のクリーチャーをピックしていくか、次善の策としてパワーを強化するエンチャントをピックしてデッキの完成を目指します。
この時は「ガラクの血まみれ角」「オナッケのオーガ」をピックしました。
ところで、なぜわざわざマナコストの重いパワー4以上のクリーチャーを搭載してまで「ガラクの蜂起」をキーワードにしているのでしょうか?
それは「ガラクの蜂起」が重いクリーチャーの弱点を緩和できるから。
「ガラクの蜂起」はうまく機能すればほぼ毎ターン追加ドローできます。
例えば以下のようなプレイが想定されます。
あらかじめパワー4以上のクリーチャーを出しておいて、「ガラクの蜂起」をプレイ、1 ドロー。クリーチャー多めのデッキなのでドローステップでのドローと合わせれば高確率でパワー4以上のクリーチャーを引けます。
そして次のターンに前のターンに引いたパワー4クリーチャーをプレイ、「ガラクの蜂起」が誘発してまた1ドロー。
「ガラクの蜂起」は「赤緑パワー4」において毎ターン手札を増やすカードといっても過言ではありません。攻め手を切らすことなく重量クリーチャーで盤面を制圧できるので、「ガラクの蜂起」は赤緑パワー4におけるキーカードになるのです。
実際のマッチ
勝ちパターン
実際のマッチでは「ガラクの蜂起」も仕事をしてくれましたが、優先してピックしたわけではない「野生林の災い魔」が特によく働いてくれました。
コストにxが含まれる、x/xのクリーチャーです。能力として自軍の他のクリーチャーに+1/+1カウンターが置かれると、誘発して「野生林の災い魔」にもカウンターが置かれるという効果を持ってます。
「野生林の災い魔」は以下のカードと強力なシナジーを形成できます。
- 「トリュフ嗅ぎ」・・・場に出たとき、自身に+1/+1カウンターを乗せられるクリーチャー
- 「活性化のうねり」・・・+1/+1カウンターを1個乗せた後、+1/+1カウンターの数を倍にするインスタント
例えばこんな展開が対戦中にありました。
- 1ターン目は土地を出すだけでエンド。
- 2ターン目に「野生林の災い魔」を1/1の状態で場に出す。
- 3ターン目は「トリュフ嗅ぎ」を+1/+1カウンターを乗せてプレイ。2/2のクリーチャーと3/3のクリーチャーが場に出ます。
- 4ターン目。ここまでかなりのボードアドバンテージを獲得していますが、そこから「活性化のうねり」をトリュフ嗅ぎに使います。そうするとトリュフ嗅ぎが6/6のクリーチャーになるだけでなく、野生林の災い魔も誘発能力によって6/6に成長。
4ターン目に6/6クリーチャーが2体も場に出ているので、このまま場面をひっくり返されなければそのまま勝利できます。
またこの時点で後続の展開にも余裕があります。ここまで毎ターン土地以外のカードを1枚しかキャストしていないので、手札が多いのです。
ここからの展開はまずキーカードである「ガラクの蜂起」を出し、そのあとパワー4のクリーチャーを場に出していくことが多かったです。こうすることで攻めを切さず、圧倒的有利な盤面を保ったまま勝利できる場面が多々ありました。
「野生林の災い魔」の強さをまとめると以下になります。
- xマナのクリーチャーなので早期に出せる。
- 早期に小型で出した後でも誘発効果によりどんどんサイズが上がっていく。
ミッドレンジの弱点をカバーしながら終盤までカバーしてくれるため、このカードは当初の想定よりも圧倒的に活躍してくれました。
負けパターン
完走時のクイックドラフトでは7勝2敗でした。負けた試合には明確なパターンが見受けられます。
このデッキの特徴はクリーチャーが比較的重いこと。野生林の災い魔を除くと3マナ以上しかデッキにいません。
なので土地があっても3ターン目までクリーチャーが出ないことも。「青赤スペル」などの飛行クリーチャーを強化していくような、スピード感のあるデッキには歯が立ちませんでした。
基本セット2021のドラフト環境
ご紹介したように「赤緑パワー4」というミッドレンジデッキは展開が遅めです。なので、
- 赤緑より早く展開していくウィニーデッキ
- キーカードを打ち消しやバウンスで妨害してくるコントロールデッキ
の両方が苦手。スタンダードレベルでは歯が立たないでしょう。
しかしリミテッドでは、
- ウィニー系のデッキ・・・カードプールの狭さからスダンダートのようなスピードは出ない。
- コントロール系のデッキ・・・完全なドローゴーデッキは存在しない。
こういった「本来であれば苦手なタイプ」のデッキが弱いため、完走できたのだと想定されます。
まとめると、「赤緑パワー4」は基本セット2021のドラフト環境で多く採用されるような、2色ウィニー系全般より完成度が一段落上であり、基本セット2021の環境メタに最適なデッキなのです。
まとめ
ドラフトをプレイしている時、1パック目に「ガラクの蜂起」や赤緑の強力なコモン・アンコモンが多めに流れてきたら是非組んでみてください。
この記事を読んだことによって、あなたのドラフト成績が少しでも向上してくれたら嬉しいです。それではまたの機会に会いましょう。